色や文字に、なぜ食い違いが起るのか不思議?

旗の1本からでも格安でオリジナル幕が作れるというので、これはイケる!とばかりにパソコンでデザインデータを作成して送った自信作~。けれども出来上がって自宅に届いた作品をみたら、色や文字が全然違っていてビックリ!

こんなコトって、実は良くある話なのです。日頃からデザインを仕事にしている人なら“常識的な話”なのですが、「完全入稿データ」というのは、依頼する先の入稿データ形式にあわせてデータを送るということなのです。

素人の私たちは、デザインするときにWordやExcel、PowerPointなどを使って表現しています。たしかにそれもデザインデータであることに間違いはありませんが、オリジナル幕の印刷屋さんや制作のプロからすると、それはスケッチと同様のサンプル程度にしかなりません。

まず「完全入稿データ」とか、「完全データ入稿」というオリジナルのぼり旗の専門店に依頼するときは、先方の使用しているデータに、自分があわせられるかを確認してみましょう。はっきり言って、合わせるのは無理です。

通常、その印刷屋さんと取引をしているプロでも、何度かデータのやり取りを行なって、ようやくスムーズに入稿できるようになります。WordやExcel、PowerPointなどのデータは、のぼり旗専門店のデザイナーが、データの作り直しを行なって、それで入稿~印刷へともっていっています。

色味の食い違い・イメージのズレをなくすには

たとえば、期待していた仕上がりと違うというのでもっともトラブルの多い「色の食い違いと仕上がり」は、最低でも「DICなどのカラーガイドの番号」で指定しておかないと、印刷の現場では取り違えがおきます。

パソコン上で指定色のつもりで使った色は、印刷現場では通用しません。デザインデータが違うので、それでもなお色データの置き換えが必要になります。色を置き換えていくので、まったく同じ色は再現できません。近似値の色になります。

こんな解釈・受け止め方・予備知識

●発注時、言葉や文章での色・文字の伝達では、最初から食い違いが出ているようなもの。もっともトラブルの多いパターンです。

●紙に印刷した場合、それを送っても画像で送信しても、その色には仕上がらない。そもそもパソコンのモニターは、個々に出力の色が異なる。

●どうしてもその色にして欲しい場合は、DICなどのカラーガイドの番号での指定が必要。それでもまったく同じ色には仕上がらない。

●色だけではなく、文字の指定も同じ。パソコンに入っている書体でいくらデザインしても、先方の印刷現場にはその文字データはない。

●利用者が送るデータはサンプルやスケッチと同じレベル。現場では色も文字も、似たものに置き換えていくので、仕上がりが違った感じになる。

●色も文字も現場で置き換えていくため、その作業実費がかかる。たとえば「色あわせ作業料金=1色1,000円」、「文字合わせ作業料金=1書体500円」など。

以上のようなことを知っておけば、まず食い違いは起きません。トラブルの大半は、“オリジナル幕=オーダーメイド=自由に思いどおりにデザインできる”と思い込んでいる利用者側の勘違いによるものです。

そこで結論として言ってしまうと、同じオリジナル幕とかオーダーメイドを掲げている幟旗店でも、専任のデザイナーが付いてくれる専門店を探して依頼するのがいちばんです。意を汲んで何度でもやり直ししてくれます。

Copyright © オーダーメイドでつくるオリジナル幕のメリット. All rights reserved.